【 解説 】 ※ 画像クリック拡大表示
〔 馬頭観音と桜山大山(おおやま) 〕 人里はなれた山中にあるこの馬頭観音は、浮き彫りの観音像を中心に、向かって右側に「牛馬安全」、左側に「文政三辰八月吉日」(1820年)、台座には「櫻山村」と刻まれています。馬頭観音は馬が農耕、交通、運搬に盛んに使われた江戸中期頃から昭和の初め頃にかけて通行の安全を願い、また、病気や事故で死んだ大切な馬の供養などのために、路傍に建てられました。ここの馬頭観音は逗子(沼間)から横須賀(田浦)へぬける道に建てられており、田浦方面との往来や、桜山村の飛び地「桜山大山」から、薪・炭・萱(かや/屋根葺(ふ)き、田の肥料)を桜山村や沼間村に運び出すのに、人や馬たちに大いに役立った道の証(あか)しと言えるでしょう。なお、森戸川の上流を中心とする桜山大山地域は、平成4年に「かながわの探鳥地50選」に選ばれている一方、サンコウチョウ、オオルリ、キビタキなどの繁殖地として鳥獣保護地域に指定されています。逗子市・自然の回廊プロジェクト
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